一日車検
categoty:車検の基礎知識 | Posted by: | 公開日:2016年6月28日 |
車検業者の中には、1日車検という表示をしているところがあります。
1日車検とは、車検の正式な名称ではありません。指定工場(陸運支局の指定整備工場)である車検業者が自社のPRのため使われ始めた言葉で、指定工場の場合、車を陸運支局の自動車検査登録事務所に持ち込み検査する必要が無いので、ほぼ一日で車検を完了することから、1日車検と呼ばれています。
なぜ、1日で車検が完了するのか?
指定工場は、次の2つの事から、1日で車検が完了することが出来ます。
陸運支局の自動車検査登録事務所に車を持ち込む必要がない
車検は、本来は、陸運支局の自動車検査登録事務所に車を持ち込み、保安基準の検査場で、保安基準に適合しているどうかの検査を受ける必要があります。
しかし、陸運支局の指定を受けた整備工場(指定工場)は、工場内に、保安基準の検査項目を検査する検査機(テスター)を完備しているので、工場内で法定点検と必要な整備を完了した後、工場内の検査機(テスター)で検査を行うことが出来るのです。このため、車を陸運支局の自動車検査登録事務所に持ち込む時間が省略され、一日で車検を完了することが出来るのです。
保安基準適合証と保安基準適合票を発行することが出来る
指定工場で車検を取る場合でも、最終的には、陸運支局の自動車検査登録事務所で、車検証(自動車検査証)と車検ステッカー(検査標章)を発行する必要がありますが、指定自動車整備事業規則の保安基準適合標章制度により、陸運支局の指定工場は、工場内の検査機(テスター)で保安基準に適合していることを確認した場合に、車検証(自動車検査証)と車検ステッカー(検査標章)に代わることのできる「保安基準適合証」と「保安基準適合票」を発行することができます。
この保安基準適合標章制度で発行することのできる「保安基準適合証」と保安基準適合標章」の有効期間は、15日間となっており、15日以内に、指定工場が、陸運支局の自動車検査登録事務所で車検証(自動車検査証)と車検ステッカー(検査標章)の交付を受け、保安基準適合証と保安基準適合票と差し替えることで車検が完了します。
指定工場以外でも一日車検が出来る?
一般的には、一日車検は、指定工場での保安基準適合標章制度を利用したものですが、陸運支局の自動車検査登録事務所からそれほど遠くない認証工場などでも、朝に車を預かって午後に陸運支局の自動車検査登録事務所に車を持ち込んで検査を受けることで、一日車検を行っているところもあるようです。
60分車検、45分車検というスピード車検も登場してきている
最近では、指定工場の中には、60分車検や45分車検を広告や看板に表示しているとこも登場してきています。
45分車検や60分車検を表示している指定工場の多くは、車検のみ特化している工場ですね。実際に、45分や60分の時間では、法定点検個所の点検と簡単な整備調整の時間と検査機(テスター)による検査時間で、ほとんどの時間が無くなります。そのため、45分や60分で車検が完了するケースは、主要部品の交換や油脂類の交換などが不要な状態の車の場合で、部品交換が必要な場合には、45分や60分では完了しないケースもありますので、注意が必要です。
また、45分車検や60分車検などスピード車検の場合は、他に比べて料金が割高の場合もありますので、利用する場合には、料金も比較確認するといいでしょう。